Uber Eatsに出店してレストランパートナーになることでUber Eatsからの注文を受けられるようになります。
ですがUber Eatsに出店を検討するにあたって、初期費用や維持費用といったコストを考える必要が出てきます。そこでこの記事では、Uber Eatsにかかる初期費用や維持費用について紹介します。
また、記事の後半ではUber Eatsの売上を増やすテクニックについても解説しています。
Uber Eats出店店舗側でかかる費用
Uber Eatsに出店してレストランパートナーになるにあたって必要な費用について洗い出していきましょう。
初期費用
Uber Eats出店でかかる主な初期費用は
- Uber Eats出店費用
- 使い捨て容器・アメニティの準備
の2つです。
現在(2020年11月3日時点)は登録手数料が無料であるため、タブレットレンタル費などの諸経費だけが初期費用ですが、今後登録手数料が有料になる可能性があります。登録手数料が有料になったあとに申し込みを行った場合は5万円以上かかってくることも覚えておきましょう。
Uber Eats出店費用
Uber Eats出店費用は5万円です。
- 英語メニュー作成費
- 写真撮影費
- レストランパートナーアプリと連動設定費
- タブレットレンタル費
これら4つが初期費用5万円に含まれています。
これら支払いを30回分割で支払うようになっているため、事実上の初期費用というようは30分割されたぶんの1回分である1,667円となります。
分割払いは月払いではなく週払いでUber Eats経由の売上から相殺されます。Uber Eatsの売り上げがなくて相殺できない週は請求されません。
使い捨て容器・アメニティの準備
これまでお持ち帰り用の使い捨て容器やアメニティを用意していなかった店舗では新たに用意する必要があります。
Uber Eatsでは配達時に使用した食器を注文者宅まで取りに行くということが認められていないため、Uber Eatsの注文では必ず使い捨て容器を使用します。
すでにお持ち帰り・テイクアウトの準備ができている店舗では、それらの使い捨て容器やアメニティを使い回せば問題ありませんが、そうでないお店だった場合は事前に準備するようにしましょう。
維持費用
Uber Eatsを利用する上で継続的に発生する維持費用について見ていきましょう。
Uber Eatsへの手数料
Uber Eats経由で発生した売上には例外なく手数料が発生します。Uber Eatsでは売上の35%を手数料として支払う仕組みとなっており、金額にするとかなり大きくなります。
勘違いしてはいけないのが、発生する手数料は「Uber Eatsの売上の35%」です。店舗全体の売上から35%支払うわけではないので勘違いしないようにしてください。
Uber Eatsに出店することで売上を増やす経路を一つ増えるだけでも嬉しいことですが、手数料を無視できない程度には高いため、如何にして売上に対するUber Eatsに支払う手数料の割合を抑えるかが売上を伸ばすポイントとなります。
この記事の後半でUber Eatsで売上を伸ばすテクニック・コツについて解説しています。
使い捨て容器・アメニティ
使い捨て容器やアメニティは消耗品ですので不足してきたら随時補充する必要があります。
お店でかかる経費全体と比較すると微々たるものですが、Uber Eatsの注文が増えてくると使い捨て容器・アメニティにかかる費用も増えてくると思っておきましょう。
出店費用の分割払い
初期費用の紹介でも触れていますが、出店にかかる初期費用5万円は分割払いですので期間限定の維持費用のようなものです。
売上が発生する最初の30週は売上から1,667円が自動的に差し引かれるので、入金額が計算と合わないなんてことがないように注意してください。
初期費用を支払い終わった後、Uber Eatsに支払うのは35%の売上手数料のみとなります。
Uber Eatsにかかる維持コストを削減・節約する方法
Uber Eatsの注文対応で必ず発生する維持コストを削減・節約する方法は少しありますので、簡単に見ていきましょう。
使い捨て容器・アメニティのコストを抑える
Uber Eatsの注文対応で使用する使い捨て容器がアメニティについて指定はありません。そのため、できるだけ安いものを使うといいでしょう。
配達なので保温効果が高い使い捨て容器やしっかりとしたアメニティーを用意したいという考えもあるかもしれませんが、そこまで気を配る必要はほとんどありません。
Uber Eats配達パートナーが使用しているバッグには高い保温効果があるものが大半であるほか、アメニティも普通の割り箸で大丈夫でしょう。
一つ一つは微々たる金額ですが「塵も積もれば山となる」ということわざがあるように、消費した使い捨て容器やアメニティの総量を考えると無視できないコストになっていくはずです。
だからこそ、コストを抑えられる要素は積極的に抑えていくといいでしょう。
使い捨て容器の種類を減らす
商品に合わせて使い捨て容器を準備するのもいいですが、そうしてしまうと使い捨て容器の種類が増えてしまって在庫管理コストが高くなってしまいます。
使い捨て容器そのものの金銭的なコストは誤差かもしれませんが、管理の都合上ことなる容器を重ねて保管することは難しいため、在庫を置いておくスペースが広くなります。また、営業終了後の使い捨て容器の在庫チェックも面倒になるため(使い捨て容器の注文回数も増える)、できるだけ使い捨て容器の種類を減らして対応するようにしましょう。
Uber Eatsで売上を増やすテクニック
Uber Eatsでは売上の35%を手数料として支払うため、店舗内提供と比べて粗利率が格段に低下します。
そこで少しでも粗利率・純利益を高めるためのテクニックについて紹介していきます。
有料トッピングオプションを増やす
トッピングを提供できる商品の場合はそれらを有料でメニューに追加しましょう。
ソース増量や唐揚げ一個追加など少額で追加できるオプションを用意しておけば、「安いし注文してみよう」という考えで注文してくれる可能性があります。
特にこういったトッピングは原価率が極めて低いことが大半ですから、結果的に粗利率の増加に繋がります。
ほかにも大盛りなどのサイズ選択で商品単価を上げる戦略も有効です。
様々なニーズに応えられるようなオプションを用意しておけば、粗利率は変わらないものでも客単価アップによる純利益増加に繋がります。
Uber Eats価格を高めに設定する
Uber Eatsで通常価格のまま販売するとほとんど粗利がなくなってしまうので、どの店舗もほぼ例外なくUber Eats価格(通常より高い価格)で提供しています。
目安としてはどのお店も通常価格の1.3倍以上には設定しています。単純に商品単価を上げることで手数料によって下がってしまう粗利率を上げることができるので、シンプルかつ有効な手段です。
Uber Eatsで注文するユーザーの多くは「通常より高い価格であることを知っていたとしても注文する」ため、価格を高くしても影響は殆ど無いでしょう。
通常価格の2倍にするようなことはできませんが、通常価格の1.5倍程度まで値上げしている店舗も少なくないので、高くても通常価格の1.5倍程度にとどめておきましょう。
商品価格を700円~750円程度に設定する
ちょっとしたテクニックですが670円・680円といった価格で提供するよりも700円台に商品価格を設定した方が売れやすくなる可能性があります。
Uber Eatsでは合計注文金額が700円未満だと最低注文手数料として150円加算される仕組みになっており、700円に少し届かない商品を選ぶと手数料が高くついてしまうのです。
そこを逆手に取って700円・720円といった価格にしておき、注文しやすい状態にしておくという手があります。700円以上であれば配達手数料とサービス料しかかからないので、1注文につき一品しか注文しないような人だとそのままリピーターになってくれる可能性もあるでしょう。
ピックアップ注文(テイクアウト)に対応する
Uber Eatsは料理の宅配サービスというイメージが強いですが、注文者が自らが取りに来るテイクアウトことピックアップ注文も対応しています。
ピックアップ注文はサービス料配達料などの手数料が利用者に一切かからないため、配達ではなくピックアップ注文をして自分で取りに行く方もおられます。
ピックアップ注文のメリットは利用者だけではなく店舗側にもあります。Uber Eatsの売上にかかる手数料は35%といいましたが、ピックアップ注文は例外で12%しかかかりません。
そのため商品価格を下げられることはでもちろんのこと、粗利率を高めることも可能です。
地域によってはピックアップ注文に対応している店舗が少ないため、そういった地域ではUber Eatsアプリ内マップで目立てる可能性があります。
条件付き割引を行う
Uber Eatsでは条件付き割引など期間限定キャンペーンを行うことができます。
- 注文金額1000円以上で100円引き
- 特定商品の割引
- 1個注文すると1個無料
このようなキャンペーンをUber Eatsでは実施できます。
キャンペーンを実施するとUber Eatsアプリでは以下のようにプロモーションされます。
ラベルが付いて目立つようになるため、注文を受けやすくなります。
メニューでもこのようなキャンペーン情報が一番上に表示されるため、注文意欲を高められるでしょう。
また、「最新のお得な情報」という画面にも掲載されるので、広告としても利用できます。
1日だけ・夜だけなど気軽に実施できるため、在庫を抱えすぎて捨てるくらいなら安くしてでも売り切りたいという商品を割引することも可能です。
在庫処分目的であれば利用者は安く頼めて店舗は在庫を処分しつつ売上を出せるという、どちらにとっても嬉しいことですので、積極的に実施すると良いでしょう。
自店舗スタッフで配達する
Uber Eatsは配達員を雇用せずに宅配サービスを提供できるサービスですが、店舗側で配達員を用意してはいけないという決まりは一切ありません。
そのため、自店舗に入った注文を自店舗の従業員が配達することも可能です。
Uber Eatsのレストランパートナーであっても、配達員を雇用したり従業員がUber Eatsの配達パートナーになることができます。この場合は店舗スタッフによる配達になるため、売上手数料が安くなります。
また、自店舗スタッフ・従業員による配達の場合は配達手数料を無料にできるほか、注文者にはサービス料もかかりません。従業員が配達できる体制を整えている場合はこのように通常とは変わった表示と共に配達手数料が0円と表示されます。
Uber Eatsの配達パートナーと連携することも可能であり、注文が多すぎて対応できない場合は通常のUber Eatsと同じように配達パートナーに委託することも可能です。
この場合は通常通り35%の売上手数料が発生しますが、注文に対応できず商品を届けられない・クレームを入れられるというリスクを減らせるので、柔軟に店舗内の対応と配達の対応をすることができます。
Uber Eatsの売上の入金タイミング
Uber Eatsで発生した売上は毎週入金されます。
ただし、売上の入金には海外送金を用いているため、毎週全く同じように入金されるとは限りません。海外送金の状況次第ではずれ込むこともよくあります。
入金タイミングと大きくずれがちなのが、アメリカの祝日が入金日と重なるときです。祝日は銀行が休みであることがほとんどであるため、海外送金も行われません。
海外送金が行われないということは口座への入金も遅れるということなんで、日本の祝日とアメリカの祝日、そして土日が続いた場合は入金がかなり遅れてしまうことになります。
毎月ではなく毎週入金なのでそこまで大きな影響はないと思いますが、売り上げが発生しているにも関わらず入金されていないということがあっても焦らないようにしましょう。
さいごに
Uber Eatsはいくら売上を上げるための手段と言っても、手数料がかなり高いです。Uber Eatsに出店してレストランパートナーになった後は、その手数料を考えた上でどのように利益を出していくかがポイントとなるので、顧客満足度を下げないように注意しつつ様々な戦略を練っていくといいでしょう。